フロント足周り:その2(タイヤ,ホイール,フォーク)

前回の続きでフロントの足周りの総ざらえをやっていきましょう.意外にフロントフォーク関連の作業がスムースに済んだので十分な乾燥時間が確保できたとは言えませんが,フロントタイヤの装着を行います.

フロントタイヤは以前入手しておいたサーキット走行済のタイヤで,サイドはメロメロに溶けていますが,センターはバリ山というものです.120/70-17だと容易に安価な良品が手に入るのでこういった点ではすごくありがたいですね.古い車体ですが,太めのタイヤに感謝です.装着してみるとサイドのメロメロに溶けている様子がよくわかります.薄っすら虹色になっていてなんか金属が過熱後酸化してしまったかのような高温ぶりが感じ取れます.

引き続きフロントディスクの装着ですが,これも以前一括購入して入手したものです.ディスクの減りもほとんどなく,曲がりもチェックしたところ全然ありませんでした.まあ多少の錆は使い始めたらすぐに消えてしまいますので気にしません.ここでホイールが完成したということで車体に取り付けてジャッキダウン.フォーク周りのねじを増し締めします.

次にフェンダーを取り付けます.で,これが実は大変でした.というのもこのZZ-RのC型のフロントフェンダーというのはCd値を稼ぐためかなり大きくホイールを覆っており,ネジがすべて内側で止める方式になっていて,しかも前後分割式なのです.当然ホイールがない状態で止めないとすこぶる作業性が悪いので,一旦ジャッキダウンはしたものの再度ホイールを外してフェンダーを取り付けました.そして再びホイールを入れようとしたのですがいくらジャッキアップしてもホイールはフェンダーの下を通過できません.というのもその高さに達する前にリアタイヤが接地してしまい,それ以上ジャッキアップできないのです.

そんなアホな〜と思いつつフェンダーをいったん外しホイールを付けた後,再びフェンダーを付けます.で,左右の2本ずつのねじはかなり苦労して取り付け可能だったのですが,前後分割しているところを取り付けるねじを付けようとしてもタイヤとの間のスペースがなく,如何ともしがたい状況に陥りました.これぞ八方ふさがりという状況に,このフェンダーを設計した人は相当へそが曲がっていると感じて,何か腹が立ってきました.結局フェンダーの左右を取り付けているねじをいったん外し,前を浮かした状態でフェンダーがフロントフォークアウターの出っ張りにガシガシ当たるのを気にしながら手を差し込んで無理やり締めました.あまりの設計の悪さに少し涙が出てきました.

で,次にブレーキホースを装着して行くんですが,ここでも問題発生.キャリパーのホース取り付け部分に対してこのフェンダーがあまりにも大きく張り出しており,いつもの15度とかの角度のバンジョーだとホースが干渉してしまいます.そしてその部分を迂回させるとなるとホースの長さも10cm近く長く必要ということがわかりました.以前フロントフェンダーのない状態でキャリパーとブレーキマスターの取り合いから候補としておいたブレーキホースはこれで使用不可なことがわかり,ここでもムカムカ腹が立ってきました.まあ純正のブレーキホースを使えばいいんでしょうが,そんな程度の良い純正は出回っていませんし新品を買うと目ん玉が飛び出るほど(←死語?)高額なのでそんな選択肢はありません.幸いにもアップハンドル用の少し長いステンメッシュホースと30度の角度付きフィッティングがあったので,それを急繕いで組みなおし取り付けました.多少フェンダーのエッジへのあたりが強いものの,ホースにはスパイラルホースを巻いてあるので,これで破損するようなことはないでしょうが,見ていて決して精神衛生上良いものではありませんね.

最後にエア抜きをして,さあ作業終了と思って車体を押したらこのフロントブレーキも見事に固着してまして,ことごとく手間がかかる方向に物事が進んでいく悪い例のような状況に,もうその日の作業はあきらめてまたの日にこの固着をなんとかしようということで重い車体がさらに重くなったところを無理やり引きずりながら駐車スペースに納め,途方もない脱力感を感じながら工具類を片付ける私なのでした.

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