ミッションカバーをどうにかする(その1)

フロント足周りをやってその作業性の悪さ,設計思想の理不尽などを味あわされかなり打ちのめされたところではありますが,今回の車体の本丸ともいえるところを今回やってしまいましょう.元車体についていたエンジンのミッションカバーの割れについてです.で,ある意味私はこれをなめていました.というのもニンジャやGPz400Fなどでミッションカバーの部分を開けたりしたことはすでにありましたし,ある意味楽勝の部類に入る作業ではあったのです.

しかし,いきなり躓きました.というのもミッションカバーを交換するためにはまずドライブスプロケットを外さないといけないのですが,これが外れません.まずはギアを入れてボックスレンチの柄にフォークのインナーパイプを通し体重をかけて回したのですが,ローであってもクランクが回り出してしまってダメ.まあ当たり前っちゃ当たり前なんですが.次にコンプレッサーを持ち出してエアインパクトを使いました.で,これもダメ.うちのインパクトレンチはそんなに大きなサイズではないので,この部分を緩めるのにいつもトルクがカツカツなんですが,今回は全然足らない感じです.なので手持ちのインパクトよりも強力なインパクトレンチを購入する方向でいろいろ検討を始めました.

で,だいたい新品で10000円も出せばもう1サイズ大きなものを入手はできるのですが,果たしてそのサイズでちゃんと緩むのかが疑問です.そう考えるともう2サイズ,3サイズ大きなものに触手を伸ばさざるを得ません.そうなるともう一体何を買ってもいいかわかりません.それにうちのコンプレッサーについてもそう容量の大きいものではなく,今使っているインパクトも2回ぐらいブシュッとやっただけで再びコンプレッサーが回り出し,空気圧が回復するまで長く時間がかかります.この期に及んでこれだけのためにコンプレッサーを購入するのは愚の骨頂のように思いますので,今回いきなりインパクトレンチやコンプレッサーの新調に走るのは断念しました.

で,2週間ぐらい悩んだ挙句もう一度手でやってみることにしました.今度はエンジンが回り出さないようにチェーンを一度スプロケットに装着してやってみます.ちなみにチェーンはこの元車体についていた錆々のチェーンで,一旦切断されているところにクリップタイプのコマを新品で購入して取り付けます.このコマはもし可能なら後で利用したいのでドリブンスプロケットの後ろっ側に回しておき,サイドスタンドで車体を立ててフロントタイヤを壁に押し付けます.そしてその休日の朝は息子がまだうちの中にいたので呼び出してリアブレーキペダルを踏ませておきます.それに加えてギアもローに入れ,その状態で前回のフォークのインナーパイプをかましたボックスレンチ(ラチェットでないやつ)をナットにかまして全体重で勢いよく回します.何度かやって車体がまだ前に動こうとしたり,リアタイヤが空転したりしたので,息子にさらにリアブレーキに全体重を乗せるように指示して,ようやく車体がほぼ完全に固定できた状態で再び満を持してフォークのインナーパイプに全体重をかけえいやっ!すると

パキン!

と音がしてようやくスプロケットナットが緩んでくれました.その音がまるでミッションのギアが砕ける音と勘違いするほどに甲高いものだったので少しドキドキしましたが,ミッションには問題ないようです.息子もオヤジが一体何にこんなに手こずっているかわからずに協力してくれていたのですが,私も礼を言いなんとか解決したことがわかり家の中に消えていきました.これでようやく本来の作業に移れることになります.しかしそろそろ冗長になってきましたのでここで小休止です.

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