なぜ(この期に及んで)ZZ-R1100-C型なのか?

いつも新しい車体の企画が始まるのは大概無計画さの上に成り立っているのですが,今回も相当な無計画さです.とある休日,ヤフオクを見ていたらある部品取り車が出品されていました.それは前後ホイール,外装のほとんどがない部品取り車の書無しZZ-RのC型.かねてから忍者より多少新しい後継機をやってみたいとは思ってきたのですが,GPZ1000RXは2台やってしまったし,やるならZZ-RのD型だろうなと思っていたのです.確かにD型だったら私にとってはつい最近まで売られていた車体で,その期間もかなり長いので部品は入手しやすいわ,その長期間にわたってフラッグシップを張ってきたという点で性能は申し分ないわで,まあいつかはD型というのがある意味私の中での規定ルートではあったのです.で,その出品されているC型がどうにもいけてない.

・ホイールがないので,陸送にかなり苦労する.したがって私のようなバラして運ぶ人でないと難しい.
・外装やメーター周りがないのでレストアするにしてもかなりお金がかかる
・スプロケットカバーの中が割れていてどうもトラブルの予感
・出品地が東北で,首都圏から引き取りに行くのはどうもね

ということでこんなの買い手がつかないだろうなと思ってみていたのです.で終了間際になっても案の定他の入札者はありません.想像したとおりではあるのですが,その状況を見ていて変な感覚が芽生えてしまいました.心の中から怪しい声が聞こえてきたのです.

誰も行かないならお前が行くしかないでしょ.

そう思った刹那まるで意識を乗っ取られているかのように入札してしまっている私がいました.ああ~一体なんてことしてしまったんだろと後悔してもときすでに遅し.その夜はその車体についてどうするかを寝床でまんじりともせず思案する私がおりました.確かに落札価格はお安い部類に入っているので,高速代,ガソリン代など加えても分解して部品として売ればトントンにはなるかもしれません.でも今まで一度も車体を買ってバラして売ったことなんてありません.いわばそれが私の誇りでもあるかのような錯覚を持っているのですが,今回でその錯覚でありながらも心の支えになっている事象を覆すことはできないなと思ったのです.したがってここは正々堂々と車体をまるごと引き取り,ちゃんとC型を起こすことにしました.

さて,落札についてはここまでで,最近では家族旅行もなくなりめっきり疎遠になった東北に車体を引き取りに行かなければいけません.それは次のお楽しみということで.

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