サーモスタット交換

前回のタペット調整でなんとか圧縮も戻ったわけですが,まだ火入れできない原因が1つありました.それはサーモスタットからの水漏れです.思い返せば,このZZ-R1100のC型はサーモスタットがフレームに取り付けられていて,フレームを入手したときの出品コメントに”サーモスタットの取付ねじが異常”と書かれていたのです.で,フレーム交換のときにも触れましたが,あまり詳細なチェックをせず,簡単に見えるところだけで判断し,なんだ,おかしいところないじゃん.と組立にそのまま使用したのです.で,結果的にクーラントを充填して初めてサーモスタットの取り付けねじがおかしいのではなく,サーモスタットについているセンサーの取り付けねじがおかしくなっていて,センサー自体が付けられない状態であることに気づいたわけです.なんともお間抜けな結果にほとほと自分にあきれてしまいます.

で,このC型の場合サーモスタットのみの入手となると,フレームからわざわざ外さなければいけないのを嫌がってか,単体での出品が少なかったりします.かといってこのためだけにフレームを買いなおすなんて馬鹿げたことはできません.ちなみに元車体のフレームからはこのサーモスタットはすでに部品取りされてしまった後でしたので,やっぱり単体で入手するしかないわけです.したがって少し高額ではありましたが程度のよさそうなサーモスタットをなんとか入手したわけです.

で,フロントカウルを外し元のサーモスタットを外すところからですが,いきなり車体を組んでからサーモスタットの交換をしようとした罰を受けているかのような困難が私を襲います.まずサーモスタットをフレームに取り付けているネジですが周辺にいろいろなものがあるとすごく回しにくいのです.レンチが回せる角度がホント30度ぐらいしかなくって,方向を変えながら回していくのですが,硬いのも相まって1本外すのに5分ぐらい費やしました.でもこんなのは序の口で,もう1本の方についてはあまりにも硬く,ねじ頭をなめてしまいました.ねじ頭をなめてしまったのでバイスクリップをはめて回そうとしたのですが,サーモスタットを写真の方向になるようにしてもバイスクリップで回せるのは10度ぐらいしかなく,掴みシロも多く取れない上に回せば回すほど硬くなっていき,ついにはバイスクリップさえも空回りするようになってしまいました.フレーム側のネジは比較的軽く回るので,ネジとサーモスタット本体が中で固着してしまっているようです.そのせいで取り外すためにはサーモスタット自体を回転させる必要があるのですが,ラジエターやらフレームからの出っ張りやらがあってサーモスタット本体をこの状態で回転させることが不可能です.さて困った.

ということでどうせ使えないサーモスタットですので,破壊することにしました.写真のようにネジの固着している根元あたりを狙ってスリットを入れ,ネジを分断しました.これによりサーモスタットを限られた角度で回転させてグリグリ引っ張っていくことでネジに沿って抜けてくるようになります.それにしてもねじの側面を見ると見事に腐食していますね.そんな感じで完全にサーモスタットが外れたら最後に残ったねじをペンチで挟んで回してようやく除去作業は完了です.

逆に取り付けはスムースそのものです.あたり面の腐食を除去して平滑にしたら,新しいOリングを入れたサーモスタットを取り付けます.あとはセンサーへの配線などを取り付けて作業は終了です.それにしても元はこのセンサー線が余っていたのに,それに気づかなかったのが自分的にはすごく情けないところです.思い返しながら脱力する私.

あとはクーラントを入れてひとまず静的に漏れが発生していないかを確認して終了です.それにしてもフレームにサーモスタットがマウントされていて,フレームを水路が貫通しているわけですから,もっとフレーム全体に水を行きわたらせて冷却するとかまでやっても良かったのかも知れませんね.当時やってみたらすごい反響だったでしょうに.

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