ミッションカバーをどうにかする(その2)

前回ようやくスプロケットが外れたということで,ようやく今回ミッションカバーを取り外すことができるようになりました.結局インパクトレンチとか文明の利器を使うことなく体力勝負でなんとか解決したので,体力的な消耗は相当なものです.普段であればここで作業をやめてしまうところですが,この気力のまんま行かないとしばらく放置プレイになってしまいそうなので,その日のうちにミッションカバーの交換を行ってしまうことにしました.

スプロケットカバーについてはパーツリスト上はZZ-RのC型とD型でパーツNoが変わっていませんでしたので,今回D型ということで売られていたものを購入しました.ものを見る限り傷や割れもなく,取り付いているシール類も全然きれいなので今回はこれを多少清掃したのみで取り付けることにします.

で,元のミッションカバーを取り外すところでいきなり躓きました.なんとフレームと干渉してミッションカバーは取り外せないのです.はじめ何か知恵の輪のような感じで解決策があるのではといろいろ探って手順を誤っているのかと自分の作業を疑いましたが,アウトプットシャフトは腰を割らないと外せませんし,アンダーフレームを取り外しても当たっているのはメインフレームの方なので影響はありません.恐らく設計者がフレームを設計するときにミッションカバーの取り外しのことをケアしていなかったからなんでしょう.それにしても酷い設計です.そういえば以前のフロントフェンダーについても全く整備性を考慮していない酷い設計ではありましたが,今回のはそれを上回るボーンヘッドです.私の気持ちも相当滅入ってきましたし,久しぶりに人のせいで(しかも30年とか前の設計者を相手に)超ド級の眩暈に苛まれ,思わず意識を失いそうになりました. で,そんなことでへこたれていてもしょうがないので,webでどうにかしている人はいないかをひたすら探します.でも残念ながらZZ-R1100で検索しても既にC型の情報はほとんどネット上にない昨今.わざわざC型のミッションカバーの交換について情報を挙げている人なんて全世界を通じて一人もいませんでした.なので再びZZ-Rの脇に腰を据え,ミッションカバーの前でまるで一休さんのようにとんちを働かせます.

で,なんとかエンジンを下ろすことなくフレームの相対位置を変えて何とかならないかを考えてみました.そして考えるよりもやってみるほうが早いと判断した私は早速エンジンの下にジャッキと算木を当て,後ろ2本のハンガーシャフトを緩め,抜いていました.その状態でジャッキを挙げていきます.

すると約15mm挙げたところで割れているミッションカバーの角度をいろいろ振って,しかもアウトプットシャフト周りのシールもシャフトにかなり強い力で押しあてつつ,ようやくミッションカバーを取り外すことに成功したのです.もう何かすごいことを達成したかのように少し涙ぐむ私.

なんとか交換できそうということで,購入しておいたガスケットを持ってきます.で,ミッションカバーの合わせ面のガスケットかすをスクレーパーでしこしこ除去していきます.そして綺麗になった合わせ面にガスケットをあてがい,さあ新しいミッションカバーを取り付けようとしたところ,再び問題発生.取り外したミッションカバーは上側の屋根の部分が割れて欠損していたのでなんとか外せたのですが,割れていない正規のミッションカバーは今度その屋根の部分がフレームと干渉して取り付けができません.もう泣きそうです.あまりの苦難の連続に何か自分が前世で悪いことでもしたのかと疑いたくなってきました.

ということで失意の中次回に続くのでありました.

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