今更ZZ-R400N型の理由

さて,ある程度カワサキの400ccの4発のモデルはやりつくした感がありますが,まだやっていないモデルがあるにはあるわけで,別に全制覇したいわけではありませんが,昔から一度は乗ってみたかった車体はやってしまいたいのが人の常(そんなはずあるか!).まあ特殊性癖なのでここらへんは許容いただくとして,実はやっぱりやっておきたい車体があるわけなんですよ.それがZZ-R400です.

私がZXR750やZX-9Rとかもやっておきながら,実際は若い時にはレーサーレプリカではなく,GPz400FやGPz750Rを乗り継いできた背景から,ある意味ツアラー志向であることをお分かりいただけるかと思います.ということで,GPz400Fから直系のツアラーモデルというと,実はそれがないのです.GPz400Fはある意味フラッグシップとしてはカワサキ最後の空冷4発です.以降はGPz400Rにフラッグシップの座を譲りましたが,これは初の水冷4発エンジンとなり,他車のレーサーレプリカの売れ行きを意識したためにツアラー色が薄まったモデルとなりました.それでもこのモデルは爆発的に売れたのですが,その後400ccのフラッグシップモデルはGPX400R,ZX-4,ZXR400と変わっていき,その正統なレーサーレプリカへの変遷の陰でゼファーが発売され,こちらもまた爆発的に売れたわけです.で,その間はツアラー色を持ったモデルというと,GPZ400Sとかが多少それっぽい立ち位置だったわけですが,これは2発エンジンでして,ちょっと毛色が変わりすぎております.で,直系ではないのですが,84年発売のGPz400Fから遅れること6年.ようやくツアラー色の濃いモデルが発売されたのです.それがZZ-R400でした.当初はZX400K型ということで,ZZ-R600のD型,ZZ-R1100のC型と同じように2-3年の短命でモデルチェンジとなったのですが,モデル名は変わらず,ZZ-R400N型となってからは1993からなんと2007年の最終モデルまで15年間販売が続けられたという超長寿モデルだったりするわけです.ニンジャで1984年のA1から2003年のA16ですから20年,ZZ-R1100D型でさえもD型は1993年から2003年でして11年間ということになりますのでZZ-R400N型の長寿さというのはニンジャに次ぐ異例の長さなのです.

ZZ-R400K型については以前ZZ-R600D型をやったので,ある意味今更スケールダウンモデルをやっても面白くないかと思いまして,やっぱり異例の長寿モデルとなったZZ-R400N型の完成度を味わってみたくなったわけです.まあそれだったらZZ-R600のE型をやってみては?と思う方も多いかも知れませんが,実はこれについては以前から探していたんですが,ほとんど種車がなく,あっても高いので断念したという次第だったりするのです.

さて,なんせ15年間も売られていたモデルですので,実際やるのはどんな車体がいいかということになります.やっぱり車体の持っているポテンシャルが高い方が評価しやすいということで,高年式のほうがいいわけです.で,程度の良い高年式,フレームは全ての年式で色以外は共通なようですので,こだわることはなく書なし高年式の種車を探していくことにします.ただ,長い年月を経て部品単位特に電装系と吸気系が変わっているようですので,ここらへんはできるだけ部品が揃っているとありがたいということになります.

とはいいつつも長年売られたモデルということもあって,そんなに急いでやる必要もないかということで,いい出物があったら取り組みを検討するかというようなスタンスでずーっと今まで来ていまして,ZZ-R400N型をやりたいと思い立ってから実は8年以上が経過していたわけです.そんな中,ヤフオクにそんな候補が出品されました.

・車体はN6F(2006年式)
・追突され一体型のシートフレーム部やテール周り,外装がお亡くなり
・それ以外はパーツは結構使えそう
・走行距離はメーター読み20000km台
・出品地は関東北部(車で引き取り可)
・開始価格ならOK.競ったら降りる感じ.

で,実はこの車体の出品が終了日時が私の海外出張と重なっていて,遠隔地からある程度前もって入札しておいたのですが,なんせ競ったらあきらめるということであったので開始価格そのまんまを入札しておいたのです.で,翌日朝確認したところ見事落札.流石に写真を見る限りかなりひどい追突であったように見受けられ,その車体を何とかしようという人は私以外に現れなったということでしょうね.

というわけで長年の構想であったZZ-R400N型の企画がこれでようやっと開始となりました.それもほぼ最終モデルということで,ZZ-R400Nであることのみならず,最近の新しいバイクというカテゴリの企画としてもとらえられますので,何か私にとってワクワクするような素材になってくれることは間違いありません.さて,次回引き取りとなりますが,どうなりますことやら.

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