バッテリの充電不良対策

最近ZZ-R600はどうもバッテリが上がるのが早くなってきました.バッテリを交換して2年も経っていないのに上がっては充電,上がっては充電の繰り返し.果てには出先のサービスエリアで冬場に一回セルがうんともすんとも言わなくなって始動できないので押し掛けを久々にやっていたらなかなかうまくいかず,近くにいた親切なおじさん(といっても私よりずいぶん若い)が後ろを押してくれてようやっとかかるようになったりして,もう自分だけだったらどうでもいいけど人様に手間をかけるようになってはいけないということで毎度のことながら重い腰をようやくあげることになったのです.

で,まずバッテリ上がりの原因を調査するところから.まず中国製バッテリが怪しいことは間違いないのでこのバッテリが逝かれているのでは?ということで充電してすぐに乗車してもバッテリが上がるのか確認してみました.今まではバッテリを充電してもすぐには乗らず,2週間ぐらい経ってから乗ってセルの周りが悪いのに気づくことが多かったのでそれが充電直後ではどうか?と確かめたのですが,充電にかかる時間も充電後の電圧も問題ないにもかかわらず,充電直後でもすぐにバッテリが弱くなっています.特にヘッドライト点灯状態では如実に電圧低下するらしく,走り始めて1kmもいかないところでウィンカーをつけて停車していると点滅にあわせてライトの輝度が微妙に瞬きだします.

こりゃバッテリはシロで,走行中充電してない可能性が高いということだな〜.ならば怪しいのは充電系.この場合バッテリの液が減ったりはしていないので過充電というのはないし,レギュレーターもシロの可能性が高い.したがってジェネレーターかその周辺でしょう.で,まず車体周りを一度チェックすればよかったのですがしばらく蒸し暑い日が続いていたので炎天下の作業で体力がすこぶる奪われるのを嫌って,先に部材調達.パーツリストを見たところ,ZZ-R600の前期はZRXやZRX-Uと同じもののようで新品で買うと27000円.そんなのは絶対に買えないので使えそうな中古をそれなりの値段で落札.でも実は使えそうかどうかなんて写真だとワニスの色ぐらいしかわからないので,そんな適当な判断理由でセレクトしただけなんですが….

で,モノが到着した週末は比較的涼しい日だったので,ここもまた重い腰を上げて朝のうちから作業開始.で,ジェネレーターカバーを外し,ジェネレーターを見てみるとう〜む,購入したものよりもきれいかも.配線も固くなっていないしこりゃ10万キロを走破した車体のもののわりにまだまだ使える.となるとせっかくスペアのジェネレーターを購入したにもかかわらず何か他に原因があるのでは?とリサーチしたくなってしまいます.

で,そのジェネレーターの配線をたどってハーネスとのコネクタのところに来たのでコネクタを外してみると,そこに原因と思しきものがおわしました.怪しさ満点ポイントが!なんとハーネス側のコネクタに水が入ってしまったようで,その端子の間のプラスチックが溶けて→焦げて→硬化してボロボロになったといった状況.こりゃまた派手にいっちゃってますね〜.確かにこのコネクタ,せっかく雨除けのブーツがかかっているのにブーツが上に口をあけるような形でサイドカバーの中に収納されていまして,言わば雨をためながら走っていたようなもの.私はここは初めていじるから私のところに来る前にどこかのバイク屋さんがそんなことしたんだろうな〜.

ということで作業はいったん中断してコネクタ購入に走ります.今迄ならこんな感じで急遽ひとりでホームセンターに行かなければならなかったときはバイクで行っていたのですが,プリウスになってからはだいたいプリウスで行ってしまいます.というのも今となってはバイクよりプリウスのほうが燃費がいいから.確かにセフィーロのころは燃費がよいというのがバイクに乗る理由づけになっていたのですが,プリウスはそこを逆転してしまったもんだからバイクに乗る機会と気概がどんどん減ってきています.そんななかでバッテリ上がりが起きたもんだから,このような長期放置に至ってしまったのです.

そもそもバイクに乗らなくなる理由が自分の場合もやっぱり歳のせいになるのかな〜なんて以前から漠然と想像していたのですが,よもやそれが燃費のせいになるだなんて.まあもともとバイクに乗る情熱自体は人よりかなり低く,こうやって金をかけずいじる方に情熱を傾けているのでこのままではそれこそ試運転ぐらいしかしないようになってしまいそうで怖い.なんとかせねば!

で,話は戻って肝心のコネクタですが,購入できたのは同じ3ピンで ピッチや配置も同じ平型端子同士をつなぐものなんですが,爪の方向が元々のコネクタとは異なります.でも試しに付けてみたら爪以外は同じようで,すっぽり入って外れません.本当は爪が合えばいいんでしょうけどタンクのこんな小さいスペースに入っていて振動の影響で抜けるなんてこともなでしょうし,ジェネレーター側のコネクタはまったく問題ないですし,ここはそのまま爪の部分は目をつぶってハーネス側のみ換えることにします.

さて作業自体は簡単なもんですが,このコネクタの部分ちゃんと作業しようとするとサイドカバーをしっかりはずしてしまわなければいけません.でもこのZZ-R600はシートをはずすのも鍵ではなく六角レンチ.サイドカバーはテールカウルとつながっている上ご丁寧にも荷掛けフック,タンデムグリップもはずさないとサイドカバーをはずせないという代物.まあ気は進まないもののここはやってしまうしかないということではじめてみたら,結局2分ほど時間は多くかかりましたが初めてちゃんとハーネスから短い配線の先についたその破損コネクタにアクセスできるようになりました.案ずるより生むが易しとはまさにこのことですね.

あとは端子を入れ替え,コネクタにピンアサインを間違えないよう差し込んだら雨水の浸入を防止するためビニテを巻いて養生します.サイドカバーをしめる前にテスターを当てて確認するとエンジン停止時12V,エンジン始動時には13.7Vを記録.う〜むこれでよし.


まあここでバッテリ充電器を使って万を辞して試運転といきたいところなのですが,満タン状態からでは実際効果があったのかどうか見極めにくいということで,弱ったバッテリのまま試運転に出かけました.すると今回は目に見えて効果が現れました.今まではバッテリが弱る前からどうもエンジンのパワーが不満げであったのですが,今は結構低回転でもモリモリパワーが出ているようで乗ってて楽しい.トラブル以前はこんな感じだったのね〜なんて思いつついつもの試運転コースから帰還.ここでバッテリ間の電圧を計ると先ほどと同じく13.7V.エンジン停止時も12.5V程度あり.コリャ完全に復活したかも?

ということでせっかくジェネレーターを入手した割りに結末はハーネスのコネクタ異常でした.まあ高い部品でなくてよかったはよかったので,今回は教訓ということでよいでしょう.実際ジェネレーターを交換するにも廃番になっている車体では自分でワニスをはがしてコイルを巻きなおす方も多いのですが,私にはそんな根性はありませんし,まあコネクタの不良なんて落ちが私らしいっちゃ私らしいですね.ではまた〜.

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