クラッチプレート交換

ZZ-R600については引取りの時点でクラッチが滑っているということで,ひとまずクラッチワイヤの遊びを調節して何とかしてきたのですが,最近とみに急加速時のすべりが激しく,安心して車の追い越しが出来なくなってきました.最近あんまり乗らないのもありますが,燃費も多少悪くなってきていてもしかしたらクラッチすべりが常態的に燃費の悪化に影響しているかもしれません.多少パワーが落ちても平気で乗り続けるくせに,燃費が悪くなったとなったら即刻対策を打ちたくなるのが私の性分なので,ここで対策を打たなければいけなくなったわけです.

で,まずフリクションプレートの磨耗がそもそもの原因であろうということで,クラッチプレートASSYの入手.といってもここで簡単に新品を購入してしまっては男が廃る(何を言ってるのかわかんな〜い).ということで中古の交換して間もないという触れ込みの400KのクラッチASSYを入手.フリクションの使用範囲は2.9〜3.1mmなので,到着したものを計ってみるとちゃんと3.07以上は残っていてくれて”あ〜またいい買い物したわ〜”と悦に入る私.この厚みがある意味ギャンブルであり,薄いものが来てしまったら中古はあきらめて新品を購入しようと思っていたので,ここで満を持してクラッチカバーのガスケットを新品購入.

で,晴れて作業開始となったのですが,この作業,クラッチをあけるということで,本来はオイルを抜かなければなりません.つい先日オイルを換えたばかりなので,ここはオイルを抜かずになんとかしたいところ.ということで車体をスタンドで支えつつ出来るだけ傾けてオイルを抜かずにクラッチカバーが開けられないかと考え,こん な体制にしてみました.結果は大正解でカバーをはずしても一滴たりともオイルが出てきませんでした.まあクラッチ室にはこの状態でぜんぜんオイルがなかったので,もしかしたら普通にサイドスタンド掛けた状態でも大丈夫だったかもしれませんが....

さて,クラッチプレートの交換です.ここらへんは忍者でも交換ではありませんが,何度か組み換えをやっているところなのでサクサクっとはずしてサクサクと取り付ける感じです.クラッチスプリングのねじはギアを入れた状態であればハウジングが回らずに済むので,そうしました.よく間違う人がいますが,最後のプレートのみ一段 ずらして溝に突起をはめるようになっています.これは単なる剛性不足を補うため設計上そうなっているようですが,誤って取り付けると最悪ハウジングの破損につながりますので注意が必要です.

ちなみにクラッチハウジングをASSYで用意したのですが,見てみると入手した400Kのものはスプリングも違いますし(2倍ぐらい長い),ネジも六角穴付きボルトになっています.ワッシャも段付きになっていて,どうやら3年間の販売の間に設計変更が掛けられたようです.といってもどっちが元の設計でどっちが改善後なのか,また 他に変更しなければいけない部品があるのかどうかわかりません.ということでスプリングとボルトは元々のものを使用しました.

さて,あとはクラッチカバーをかけてクラッチワイヤーを調整するだけ.大体の位置に調整できたら今度はエンジンをかけてメインスタンドをかけた状態でギアをつないで駆動が問題ないか確認します.クラッチを切った状態でギアを入れたところでリアタイヤがグルグル回ってしまうようであればこれはクラッチが切れてていない証拠.クラッチワイヤの根本とクラッチレバーの根本の両方を調整して作業は終了.


さて,試運転です.前回ホイールベアリングを交換したあとに試運転をやっていないのでそのインプレも同時にやってしまいましょう.まず,ホイールベアリングの交換については,走り出しの抵抗感がかなり緩和されていて,スムーズに加速できます.燃費についてはまだ距離を走っていないのでわかりませんが,頻繁にゴーストップを繰り返すコースでは飛躍的に燃費を改善させることでしょう.

次にブレーキパッドですが,面が出きってしまうまでは危機が甘い感じがしていましたが,20kmも走れば以前よりかなり効きが鋭くなったことを実感できるようになりました.最後にクラッチですが間違いなく車の追い越しが楽になりましたが,今までクラッチ操作が荒くってもトルクが足りないと感じることがほとんどなかったのですが,交換後はクラッチを多少荒く操作した場合満足なトルクが出なくなってしまいました.というのも今まではアクセルをひねればクラッチが滑り,回転が上がって十分なトルクができるところまで時間がかかっても到達したのですが,クラッチがちゃんと駆動力を伝達するようになるとラフなクラッチ操作では回転不足のところに駆動力を要するのでトルクが足りなくなり,失速するような感触がありました.ここはしっかりとクラッチ操作をしなければいけないな〜なんて思うわけですがよく考えたらそれが通常の乗り方として必要なことなわけで,じきになれればすぐ問題なくなるでしょう.

実際走り出しの軽快さとクラッチ操作の敏感さとで,かなりパフォーマンスはアップした感じでしょうか.これでまともな車両に再び返り咲いたわけで,10万km走破した車体でもいろいろ手を入れてやればここまで軽快に乗れるものだなと感慨に浸る私なのでした.

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