ZZ-R600(D型)入手の経緯

とある夜.昔の仲間の集まる掲示板を眺めておりました.決まったメンバがたま〜に書き込みをするいわば止まり木のような掲示板で,今やいろんな新しい形のコミニューケションツールがインターネット上に様々ある中で珍しいオーソドックスな掲示板です.私は週に3回ぐらいは覗いてみることにしているのですが,その書き込みの中におなじみのH氏の書き込みで新しいバイクを買いましたとの書き込みがありました.

新しいバイクについてはみなさん非常に興味もあり,そっちの話題が花盛りになったのはいうまでもありませんが,その一方でそれまで乗っていたバイクは下取り価格もほとんど無く10年以上連れ添った伴侶を預けるにはやや物足りないとのご様子.そんな中私に白羽の矢が立ってしまいました.まあ常々ばかみたいにバイクを組んでははまり,場所がなくなったからといっては手放しを繰り返しているわけで,ここに持っていけばなんかあるかも?と皆さんが考えるのは当然といえば当然です.

実際その車体というのが前期型のZZ-R600で,D型というものです.走行距離は数年前にめでたく10万km達成ということで,誉れ高い車体なのです.その一方実は私,結構ZZ-R600 には以前から興味津々なのでした.というのも今まで600という排気量は未経験であり,本当のスポーツとしてバイクを捉えるならば600こそその王道であるという認識もきわめて一般的に言われている昨今,その排気量を未経験ではバイクの薀蓄を語る資格もないだろうと思っているわけです.

かといって今の9Rを無理やり6Rに入れ替えたり,古いGPZ600Rなんかにチャレンジしたりというのもかなり面倒です.特に600という排気量がゆえにカワサキ車の場合はスケールダウン版の400にエンジンが流用されたりするのでかなり部品単位になったとしても高額です.車体そのものは希少価値があるのでこちらも高値.おのずとお気軽に車体を組んだりレストアしたりしようとすると自然に600という排気量は私にとって縁遠いものになってしまうわけです.

一方,ZZ-Rについては忍者のエンジンがスープアップされてZZ-R1100のエンジンになった経緯もあって,興味がないわけではなかったのですが,ZZ-R1100に乗ってしまうとその完成度の高さゆえ比較してしまい,今まで私にとって忍者のあばたもえくぼ的に捕らえている様々な至らないところが腫瘍にさえ見えてきてしまうぐらいのショックを受けてしまうのではないかと考え,今までZZ-R1100についてはそれを手がけることをわざと避けてきた感じがあります.しかし一方でカワサキの車のなかでエポックメイキングなZZ-Rと名前のついた車体に一度でいいから乗ってみたいという願望はあって,そのラインナップの中で600の排気量であるZZ-R600というのは両方の事情もあって私にとってきわめて魅力的なものになっていたのです.

ということで私にとって今回のお話は打って付けだったのです.で,早速それに乗り出そうとしたわけですがあいにくその時点では駐車スペースの空きは無し.ひとまず一言書き込み手付けのみして,”1台売れるまで待ってね”作戦とすることにしました.

で,2ヶ月ぐらいして売る候補が決まり,売りに出してしばらくしてから買い手がつきました.車体がいなくなったら早速引き渡しを...となるのですがここでまたあいにくその車体のありかが遠いのです.そこは北の大地.季節はちょうど夏のおわり.そう,車検も残っていることだし引き取りに来て一緒にツーリングでも.となるわけです.で,自分の予定表,家族の予定表をじっくり見つめながら検討...ない,ない.これでは脅威の北の大地日帰りしかできない.

運悪くその夏はいろいろな行事があり,北の大地にZZ-Rの車体を受け取りちょっとしたツーリングを楽しむにいくなんて時間はぜんぜん取れそうにないのです.羽田から千歳におりて車体を受け取って苫小牧からフェリーに乗って大洗あたりまで来たとしても大洗から帰ってこれる自身がない.通常ならばそんな苦にならない距離も北の大地からとんぼ返りといった芸当をした後だと私の体力的にもかなり不可能に近いのです.

う〜ん,コレは困った.どうしよう?ということで続きは次回.

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