No.3- 電装関係(2.バッテリ後編)

バッテリについては語ることが多すぎて困りますね.今回は応用編ということではありませんが,それなりにいろいろ冒険した経験から語ってみましょうか.

<異種バッテリへの変更>

古いバイクだと結構バッテリの容量がでっかいのにすぐいかれてしまったり,容量がでっかい上に,対応機種が少ないので高かったりします.大容量であってもシールタイプのバッテリであれば容量的には事足りることもありますので,開放型からシールタイプに変更したい方はいらっしゃるかと思います.かくいう私も開放型からシール型に変更した経験があったりします.この場合,気にしなければいけないのは充電時の電圧ということになります.シール型の充電電圧は開放型より低く抑えてあります.なのでレギュレーターをそのまんまでシール型バッテリにしてしまうとバッテリをダメにしてしまいます.なので最低でもレギュレーターをそのバッテリを使用しているバイクのものに変えてやる必要があります.また,電圧が低い分,ゆっくり充電するということですから,ジェネレーターの発生する充電電流を無理やりレギュレーターで削いで熱に変えていますので,走行中の充電が不十分になってしまったり,レギュレーターがパンクしてしまったり,過熱して他の電装系などに悪影響を与えてしまう可能性もあります.ここらへんは実際やってみて,走行距離も稼いでいく中で,問題の有無を確認していく必要があります.また旧車の場合,電装系の経たりで充放電のバランスが崩れているケースもあって状況は様々といえます.ですので,結局こうやれば大丈夫ということではなく,ケースバイケースでうまくいく場合もあればいかない場合もあり,あまり人にお勧めできるものではないということになります.

ちなみに,サイズが大きくなる変更はバイクの場合は極めて難しいので,だいたいの場合は電源としての容量は同じで,サイズを小さくすることが多いと思いますが,少なくともバッテリケースの空いたスペースは何かで埋めてやらないとバッテリが暴れて液が漏れたり,端子が壊れたりすることがあります.なので難燃のウレタンを丁度良いサイズに切ってすき間を埋めてやることも忘れないようにしたほうがいいですね.

<液漏れ:過電圧>

普通に走行しているだけなのにバッテリのブリーザーチューブからどんどん電解液があふれてくることがあります.これが発生すると電解液がみるみるうちに減っていき,エンジンがストップ.バッテリもお亡くなりになってしまうという結構ダメージの大きいトラブルにつながります.まあ電解液を比重計を見ながら継ぎ足していくことでバッテリの延命を図れたりしますが,根本原因は過充電であることが多く,それは充電電圧を制御しているレギュレータ不良に起因することが多いようです.次に多い原因はジェネレーター,レ口ファイヤで,これが逝っている場合はレギュレーターも一緒にお亡くなりになっているケースもあります.まあジェネレーターが死んでいるのはちょっと置いておいて,レギュレーターについてはカワサキの場合結構流用で使えるものもあるので,型番などから探してみるとよいでしょう.ちなみにヤマハの80年代中盤ぐらいから使われている小さいやつは結構ダメになっている可能性が高いようです.中古で購入してもそれがまた死んでいる可能性も高く,それがニーズを生んでいるようで,幸か不幸かこれと互換をうたっている安価な中国製のものが売っていますが,まあはじめは使えますが耐久性はちょっとわかりませんね.

<バッテリ回復>

世の中には少し怪しいながらも弱ったバッテリを回復してくれるツールがあったりします.パルス充電器のようなものですが,これで回復できるものは6バンクとも均等に衰えているようなケースのみで,どれか1バンクでも短絡,不導通であるとダメいかんともしがたいというものが多いようです.なので所詮気休め程度に受け取っておけばよいと思いますが,まあそれでも期待してしまうのが私とて同じ穴の狢なんでしょうね.webの情報をもとに自作してみたり,ヤフオクで安い謎の箱を買ってみたり,今では回復微弱充電器なるものを愛用していたりします.

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ちなみにこのような箱を使ったりしてバッテリを回復させようとして,思ったほど効果がなかったのでずーっと充電し続けたりすると,バッテリをお釈迦にしてしまいますのでご注意を.おそらく8時間以上やっても効果がなかったらあきらめた方が得策でしょうね.

バッテリは私の場合車体組み立ての終盤で購入したりしますが,結局火入れにチャレンジしても燃料計のトラブルなどですぐには実走できることはまれなので,まずはジャンプスターターでお試しをして,問題なさそうであれば初めて購入するようにしています.ちなみに今のお困りごとは部品取り種車とかについていた廃バッテリがどんどんたまってしまって,かなりスペースをとるほどになってしまっている点です.まあバッテリ回収業者さんに連絡して取りに来てもらえばいいんでしょうけど,お金とられるのがちょっと気になってしまってまして,なかなか踏み切れないんですよね.

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