No.2- ヘッドライトの選定と交換方法(1.ヘッドライトバルブ選定編)

オイル交換を自分でやる方が次にとっつきやすいのはヘッドライト,ウィンカーの交換ということになります.今回はその選定方法からですが,はじめっからLEDになっている車種のことはわかりませんので,ここは純正ではフィラメントのバルブがついているケースに限定ということでお願いします.(情報は2021年現在のものです)

<ヘッドライトバルブの選定方法:Hi-Lo切替式>

多くのバイクはHi-Loの切替式のバルブが搭載されています.またある程度の電源容量が確保できる中,大排気量車は多くのモデルがH4バルブを使っています.ですのでここではH4バルブを中心に話を進めていきます.まず,大きくバルブ交換の選択肢を分けるならば,

(1)高輝度フィラメントバルブ
(2)HID
(3)LED

ということになります.で,まず(1)高輝度フィラメントバルブについては結構中国製が目立つようになってきており,バイクではありませんが,初期のものについては下記のようなトラブルも経験しました.最悪火災になってしまうような重大なトラブルでしたので,私はこれ以来,かならず金具の形状を確認するようにしています.

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また,旧車の場合はライトハウジングの鏡面やレンズがくすんでしまっていたり,鏡面がただれたような感じになったり剥がれてしまっているケースがありますので,標準光量では足りない場合があります.どうしてもライトハウジングを流用しなければいけな場合は高輝度バルブを選定することになりますが,車検を通すとなると,バルブだけではどうしようもないケースも出てきますので,輝度にそんなにこだわるのであればHID化,LED化してしまったほうが良いように思います.ただ,HIDについてはHi-LO切替式はメカニカルに切り替え駆動する必要から高額になりがちで,バラストの持ちなんかもバイクの不安定な電源では悪化させる懸念もありますので,完全にLEDにとってかわられているように思います.なので私としては輝度にこだわるのであれば,LEDのそれなりに高いやつをお勧めします.といっても私の場合2000円ぐらいで十分高いやつの部類なんですが.

で,輝度を求めるならLEDといいつつ,これがもうピンキリで何を頼りに選んでいいかわかりにくいところです.LEDのH4バルブの出始めのころは,LED基板裏面 にスペースが必要であったことから,本来フィラメントが配置されている位置にLEDが配置できず,ライトハウジングの反射パターンと合致しなかったり,Hi-Loの光軸のずれが大きすぎたり,パッシングができなかったりします.最近の5x1.5mmぐらいの細長いLEDを基板にHi-Loの位置に合計4ケ両面実装されたもので,ロービーム側の遮蔽プレートがちゃんとあるやつで,カタログ値4000lmを超えるもので,それなりにアマゾンのレビューとかでも高評価のものが候補になるでしょう.

<バイクならではの課題>

で,また話はフィラメントタイプのものに戻りますが,フィラメントタイプの場合,バイク用と明示されているものしか使えないというお話もあります.これは単にバイクの方が振動が激しいので,バイクの振動を模した振動試験をクリアしたものが好ましいということに他ありません.バイクの場合電源の不安定さもありますが,恐らくそんなのはメーカーでも保証できないでしょうから,実際はバイク用と書いてなくても,使えるケースがほとんどであったりします.まあ多少寿命は短いかもですし,ビッグシングルであったり,オフロードを多用する方には向かないかもですが.

あと,バイクにLEDバルブを付ける場合,2つの課題があります.1つは上でも書きましたが,電源の不安定さという問題.これは旧車とかが元々設計上そうなっている場合と,ハーネスや機器類が寿命を迎えつつあって不安定な場合があります.あと小型バイクで使われている交流電源では極性があるので使えないケースもありますので注意が必要です.最近では交流OKのバルブもありますが,所詮バイク専用となると数が出ない分高いんでしょうね.

もう一つの課題はスペース的なもの.特にヘッドライトケースがしっかりある車種は後ろ側の出っ張りが問題になります.例えばネイキッド系のバイクのライトはケースが小さいためにH4コネクタの後ろに1-2cmしかすき間がないものが多く,LEDバルブの後ろにファンが直付けされているものは大概付けられません.また,ファンがなくっても後ろがちょっと長いだけで付けられないケースもあります.これらに対応するため,本体にコネクタを直付けするのではなく,本体からケーブルを介してコネクタにつなげるタイプもありますが,これについては他のコネクタ類がケース内にあるので,それらとの干渉を如何に下げるかが重要になってきます.まあ,私の場合このような懸念があるのでトライアンドエラーで問題があってもあきらめがつくように安価なものしか購入しなかったりするんですけどね.

こんな感じで何か選定上の決定打のようなものをお示しできればよかったのですが,懸念点の列挙のみのページとなってしまいました.まあ特に照明系はトレンドがどんどん移りゆくものですから,今時点のベストバイをご紹介してもあんまり意味がありませんので,その点ご了承いただきたく.

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