No.2- ヘッドライトの選定と交換方法(2.ヘッドライトバルブ交換編)

前回選定しましたので,その時にケース内のスペースの課題について書きましたので,恐らくそこら辺を気にしてLEDバルブを選定したのであれば,ケースを一度開けているはずですので,交換は極々容易なことと思います.バルブ交換の際にはその固定方法は車種によっても異なりますので,ここでそれぞれのケースを紹介しても世の中によりわかりやすく図解などして手順を紹介しているWEBがごまんとありますので,ここでは,そういった部分は紹介しません.ただフィラメントバルブもHID,LEDバルブもどんなものであってもガラス面や発光面に手で触れない事が鉄則ということでしょうか.

< LEDバルブを付けたときの防水対策>

大概のバイクはヘッドライトケースの中にあるものの,コネクタからバルブに向かって水が侵入しないように,ゴムのカバーがついています.これが後面にファンやヒートシンクのついたLEDバルブだと,多くの場合取り付け金具の動作に必要なスペースが確保できず,このゴムカバーが装着できないことになります.そんな場合,私はゴムカバーの下に向かって2cmぐらい切り込みを入れ,LEDバルブを取り付けた後にファンやヒートシンクをまたぐ形でゴムカバーを装着します.というのも雨水の侵入は主に上からですし,所詮下に排出されなければいけません.そのため多くのゴムカバーには下方向に穴が開いています.この穴の程度であればすき間はOKと考えて,こういった対策をしています.というのも今までHIDやLEDバルブを取り付けられた形跡のあるヘッドライトをいくつも見てきましたが,そのほとんどがハウジング内に塵,埃が入ってしまい,ヘッドライトレンズや鏡面を濁らせてしまっていたからです.ですので雨水のみならず,塵,埃の侵入を防止する効果として,このゴムカバーの必要性を痛感している次第なのです.

<交換後にやること>

バルブを交換したら,フェンダーの保護のためウェスなどを敷いて置き,まずは配線が繋がった状態でのテスト点灯を推奨します.特にLEDの場合,付けてみたけど点灯したとたんに点滅してしまっていたり,Hi-Loの切り替えがおかしかったり,簡単にダメと分かるケースがあって,作業の無駄をなくすためにもぜひおすすめします.

そして,必ずやっておきたいのは光軸合わせです.まあ車検の時にはちゃんと合わせておかないと通りませんのでそこはプロにお任せするとして,ここでは夜間実際安全に走行できるかの確認と他の車に走行中迷惑をかけないようにするため簡易的にでも光軸を合わせておきます.バイクの場合は自動車よりもライトの位置が高いので,光軸が高めになったまんま走っていると車からは煽られているような感じになってしまいます.変な言いがかりをつけられるのはよろしくないので,これは必ずご自分でDIYする際にもやっておきましょう.

この光軸合わせは車検のテスターで必ず合格するようなものではなく,まず自分で走行上問題ないレベルにするということで,作業内容は様々なweb情報で出ていますのでここでは割愛します.ひとまず光軸調整をする前に,巻き尺(10m以上が好ましい),濃いめのサングラスと光軸合わせの機構や調整方法をサービスマニュアルで確認して,必要か工具をそろえておきましょう.で,よく紹介されている夜間,1m先の壁で確認したあと,できるだけバイクを正立させて,実際10m先でサングラスをかけた状態で照明を覗きこみ,ロービームの時の光軸の中心が他車に迷惑にならないか,確認しておくとよいでしょう(サングラスがないと網膜にダメージが出るかもなので,絶対に忘れないでください!).どうしてもハイビームとロービームの光軸がお互い両立しないような場合,そのLEDバルブの使用はあきらめるしかないですね.私もこんな感じでいくつかお蔵入りにしたバルブがあったりします.(最近は少ないですが)

<車検対応の光軸合わせなど>

車検に関しては光軸については各車検場のテスターの種類やコンディションもありますので,なかなか一概には言えません.また,光量についても旧車については非常に厳しい場合もありますので,ここらへんは断言できなかったりします.ユーザー車検の前に光軸調整をご自分でやるときは,一発合格なんて考えず,車検場で不合格が出たときに自分さ再調整するか,車検場のそばにあるテスターさんの状況,価格,対応時間などをあらかじめ調べておくことをお勧めします.私におきましても,最大で6回落ちています.今は3回までが上限となっていて,4回目以降は新たに3回まで検査できる限定検査の検査料を納めなければいけなくなりました.

また旧車の場合一つ頭が痛いのは光量です.前述のようにライトレンズ,ハウジングの清掃をしておくのも必要なのですが,電装系の劣化により光量が落ちてしまっているケースでは,光軸検査時の回転数を高めにして無理やり通ったケースも多いようです.私も多くの場合旧車の場合2000回転ぐらいまで上げています.でもこれが高ければいいかというとそうでもなかったりするようです.おそらく電源回路や,プラグの点火方式なども影響すると思いますが,点火に電力を取られるためか,3000回転ぐらい回すと帰ってアイドリングよりも光量が落ちるバイクがあったりします.なので,前述の夜間の光軸合わせの時に回転数を上げてみて,最高輝度が出るのはどの回転数なのかは把握しておいた方が良いと思います.

このようにせっかくユーザー車検でお金と時間のセーブをするつもりでも,光軸検査で落ちまくってしまってはダメなので,そこんところはいろいろ準備をしたり,調整方法の練習をしたりしておかなければいけないと思う次第なのです.

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まあバイクの場合は暗いと夜間の存在アピールが減りますのでその点要注意ですし,その一方で電力をセーブしたいので,LEDバルブ化は魅力あるメンテナンスアイテムになりますね.安全な走行につながるように慎重に選定,作業,評価をして,なおかつ楽しめれば幸いなのであります.

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