フロントブレーキ

次はフロントブレーキです.フォークを車体についていたものを含め都合3セットも入手してしまったわけで,ブレーキも当然のごとく入手済みです.そのうちの1セットは程度が悪いのを承知の上でブレーキキャリパに加え,ステンメッシュホースがついていたものを入手したので,今回のブレーキホースはそれを取り付けます.

ちなみにステンメッシュのついているセットにくっついていたキャリパーというのは写真のような状態で,もれたフォークオイルをブッかぶってしまっていて大変な状況になっています.車体についてきたキャリパーはそうでもないのでキャリパーについては清掃した後,そっちと比較の上を良いほうを使うつもりです.少なくともパッドはこのオイルまみれのものは使いたくないのですが,厚みを確認したところベースまであと0.5mmといった状況でしたので外してすぐにゴミ箱へ直行してもらいました.

清掃の結果,どっちを使うかということですが,キャリパーは外観が重要なのではなく,そのピストンの側面の美しさがものをいうわけで,そこをチェックしないことには比較になりません.したがって両方とも一旦エアガンでピストンを押し出します.エアガンをホースの取り付け口にウェスをかまして押し付けつつ,ピストンの出てくる先に算木をかまして少しずつ出していきます.(そうしないとピストンが急に飛び出し危険なのです.)

ピストンが出せたらシリンダ内のダストシールとオイルシールの経たり具合を確認.一応ここで顕著な傷などが見つかったらシール交換に踏み切ろうと思っていたのですが,意外にフォークオイルまみれだったほうが双方ともまだ綺麗なものでしたのでそれを使用することにしました.ピストンの側面も先端に近い側は結構汚れていましたが,真鍮ワイヤブラシで全周を磨いてみたところほぼ綺麗になりましたので,ピストン,キャリパボディともフォークオイルまみれだったほうを使うことにしました.まあ,これを使って問題があったらシール交換に踏み切らざるを得ませんが,ここは乗り出しまではまだ時間があるでしょうということで,恒例の渋ちん根性を覗かせます.

キャリパの流用が決まったら,早速取り付けに望みましょう.ちなみにGPz400Fはニンジャとは違い,片側のフォークのみアンチノーズダイブが装着されており,上部をパイプで繋いであるエアサスです.片側というのはちょっと変な感じですが,まあ純正でそうなっているのでしょうがないわけです.で,入手したステンメッシュホースも短いホースがひとつだけついているというものです.その短いものもニンジャより相当長いので,ニンジャのものがそのまま流用できたりというものではないので,今回は手間を惜しんでフォークごと出品されているものを落札してしまったというわけなのです.

なんだか言い訳がましいですが,取り付け自体はとてもスムースに済み,エア抜きに望みます.エア抜きは最近自分的には流行りのスピード重視型エア抜き.1000RXのリアブレーキでその旨みを感じて以来,私はこれにこだわり続けています.エアをもっとも効率的かつ完璧に抜くのはこのスピード重視型のエア抜きであり,その実現にはある意味ノウハウが必要であると感じています.今回はそれに準じた作業を行います.

まず,アンチノーズダイブのある方のキャリパー側から ビオレ でエアを抜きながらどんどんブレーキレバーをニギニギしていきます.このときはカップ内のフルードもそんなに抜けていきません.それでも時間をおかずに逆側のアンチノーズダイブの無い方に作業を移して同じくビオレのフル稼働とニギニギを繰り返します.するとフルードが徐々に減っていきます.ここでフルードの流れに初めて初速が生まれます.そうなったら後はそれをしばらく繰り返すと,徐々にブリードバルブからフルードが出始めます.ここで逆サイドに移り同じ作業を少しだけ繰り返 しただけで,レバーにかなり強い感触が得られるようになります.この状態でほとんどのエアが抜けているはずです.

あとはビオレを外し,エアチューブをつけた状態で,何度かブレーキレバーをニギニギして,圧がかなりかかった状態でレバーを握りっ放しのところでブレードバルブを緩めるを繰り返します.3箇所のブリードバルブにこれを繰り返せば,かなり完璧なエア抜きが仕上がります.エア抜きにかかった時間はここまで20分って言うところですが,従来のフルードの流速を考慮せずにやっていたころはその程度の時間ではここまでのレバーのかっちり感は得られなかったような感じがします.ということでかなり自己満足モード全開な状況でブレーキ周りの再チェック.幸いにも漏れなどもなく,もともと純正にあわせてステンメッシュが用意されていたようなので,かなりなフィット感.

でも直感的にこの車体に赤と青のフィッティングはいけてないような気がします.見慣れるとそうでもないんでしょうが,私の中でGPzは旧車のテイストを少し残したモデルという認識がありましたので,このようなとっぴな色遣いはいかがなものか?と思うわけです.しかしわざわざこの車体に合わせるためにステンレスフィッティングのステンメッシュホースを用意する根性もないので,このまま行ってしまうんでしょうけど,ちょっと自己満足モードに水を挿す結果となってしまったようです.ということで,スムースに終わったわりに満足度の低い作業と相成ったのでした.

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