No.2- ヘッドライトの選定と交換方法(3.ヘッドライトごと交換編)

今回はヘッドライト関連の最終回.ヘッドライトそのものの変更に関するトピックといたしましょう.実際私の場合GPZ900Rニンジャに安いマルチリフレクタヘッドライトハウジングを搭載して痛い目見ていますし,旧車の場合ヘッドライトが入手困難な場合があり,やむなく変更せざるを得ないケースもありますので,ここらへんは避けて通れない方もいらっしゃるでしょうから,初級編といいつつ少しディープな感じもしますが,興味がある方はお付き合いください.

< 私の経験談>

まず対象は車検ありの車体についてということで,当然ライト自体車検対応できるかどうかが重要だと思います.車検のたびに純正ライトに換装しなおして受検するなんてのは面倒ですし,そもそも車検に合格できないようなライトで公道を走ってはよろしくないですからね.

次に,やはり前回も苦労話を載せましたが,その車検に適合するよう,光軸が合わせられるかというのと使用するバルブと合わせて光量が十分出せるかどうかが重要となってきます.となると選択肢は他車流用が最もやりやすいのかなと思います.私の場合は,同じ形状だったら適合しているでしょう?みたいなノリで搭載したマルチリフレクタランプハウジングで失敗しておりまして,お恥ずかしい限りなんですが.

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なので,社外品というのはとっても危険なのだなと思わけなのです.車検に通るためには光軸,光量に加え反射した光の色までも注意しなければいけなく,購入してから後悔しても遅いわけでして,車検のある市販車のものが絶対的安心感があるわけなのです.となると次はカウルありとカウルなしで状況が変わってきます.以前ザンザスのヘッドライトの入手性が悪く,なんとか他車流用できないものか悩んだこともありましたが,意外にもカウル付きのバイクのヘッドライトを流用したりできました.でもそのようなケースは極めてまれでして,だいたいカウル付きのバイクはカウルごと流用するか,カウルレス仕様にしてライトの選択の自由度を上げるかということになろうかと思います.

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このときは紆余曲折もさることながら,最終的に一番苦しんだのが光軸上下調整機構です.今見てみるととても恥ずかしくなるような調整ブラケットの自作をしてしのいでいますが,こんな感じで試行錯誤が最終的に必要になりますので,正直純正が入手できるなら,それに越したことがないというのが私の感想であったりします.

といいつつも,出来上がったときに達成感はかなり高レベルでしたので,ご興味がある方は出来上がりのカッコよさを想像して楽しみつつ取り組んでみるのもよろしいのではないでしょうか?

<ヘッドライトをハウジングごと変更する際の留意点>

まず,カウルレスのモデルについてはフロントフォークにステーがついているケースやトップブリッジとトリプルツリーの間にステーが渡っているケースになると思いますが,可能な限りこれらが純正のまま利用できるようにした方が良いでしょう.特にライトステーにウィンカーを付けるタイプのものはウィンカーを一緒に換えることを考えていない場合は流用が必須となります.このようにステーを流用する場合は純正のライト径より大きいものは取り付け不可になります.また小さい径のものは元々車検に通らないものがあったり,光量が不足しているものもありますので,注意が必要です.

また,光軸調整の左右は大体ライト側にありますが,上下はライトハウジングの外側で調整することになりますので,形状やステーとの取り合いによっては自作が必要になってきます.また,その光軸調整範囲について左右はちゃんと線対称であれば問題ありませんが,上下はその調整機構の中央で丁度光軸規格の中央に合うように設計してやる必要があります.まあ,自作であれば調整範囲を広めにとってしまう手もありますが.

カウル付き(ハンドルマウントのハーフカウルなどを除く)のバイクの場合,特にヘッドライトがカウル曲面に沿っている流線形になっている場合,ライトの選定は大変です.まずカウルの曲面に流用するライトの曲面があっていなければいけません.そして,そのライトの形状に合わせてカウルを切った張ったした上に取り付けについても工夫しなければいけません.そして何よりもそのようにして取り付けても光軸が合わせきれないなんてことがあってはいけないので,元々違う流線形に合わせて設計されたようなライトを,取り付け角度をきっちり合わせて既存のカウルに埋め込むなんてことをしなければいけないわけで,素人ではほぼ実質不可能ということになります.この場合,間違いなくライトだけでなくカウルやカウルステーごと流用できるモデルを探した方が絶対楽に出来上がります.まあハンドルの高さや位置,ミラーの取り付けや前後の傾斜なく水平に取り付けられるかどうか,車体側から適した位置にブラケットを増設できるかなど大変な部分もありますが,個別のカウルとライトをいろいろなことを考慮して合わせこむよりはましかと.でもそうしてしまうと,他の車種のフロントビューをそのまま移植したような感じになり,好き嫌いの分かれる結果となったりします.

まあ,ヘッドライトハウジングの交換などについては私のように部品単位で入手して組み上げるようなケースで,特殊形状のライトASSYが入手しずらい場合は何か工夫のし甲斐があるか考えて苦労するのも一興ではありますが,すでに普段使っていて不具合のない車体のライトをわざわざそこまで苦労して交換するのはあまりお勧めできません.最悪その切った張ったの期間バイクに乗れなくなって,調子を悪くしたりしますので.ということで最後のほうはかなりネガティブになってしまいましたが,ライトの変更はバイクの外観も大きく変えてしまうことがありますので慎重にしたほうが良いかなと思うわけなのです.

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